エコキュートで節約できるか？

執筆者：小山英斗

我が家は今年からオール電化の家となりました。事の始まりは1本の営業電話からでした。

「エコキュートの導入費用を実質タダにできるので、ぜひ話を聞いてください」との電話。

営業でかかってくる電話って、皆さんはどうされていますか？　怪しいと思って即きってしまいますか？

私も営業の電話は基本警戒してはいますが、とりあえず話は聞くことにしています。この時は「実質タダ」ってどんなからくりか興味があったので話を聞くことに。

で、実質タダのからくりは、エコキュートで光熱費が削減できるので、その分でエコキュートの月々の支払いをまかなえてしまうというもの。もちろんこれには、各家庭での光熱費のかかり方によって違いがでてくるというので、まずはシミュレーションでどのくらい光熱費を削減できそうか試算を行います。

試算結果、我が家の場合は約月８千円強の削減ができそうとのこと！なんと年間で約１０万円ほどになるとのことでした。

ただこれはエコキュート導入とともにそれまでガスコンロを使用していたものをＩＨコンロに替えてオール電化にした場合の話。ガス料金をゼロにすることでトータルの光熱費として削減が可能になるものです。電気料金はエコキュートとＩＨ導入により逆にこれまでより高くなりますが、その増加分よりガス料金の削減が大きいわけです。

私が導入を決断したのには以下の点がありました。

１．シミュレーション上では確かに削減効果があり、エコキュートとＩＨコンロ導入費用も月々の削減された光熱費で６年で回収できる。（この部分が実質タダを意味している）

２．我が家は２世帯住宅でガスも２つにわけていた。そのため基本料金も２つ分で、ガス代がゼロになる効果が大きそうだった。

３．給湯器が２台とも１０年を経過しており、そろそろ交換時期だった。

４．火を使わなくなるので火のつけっぱなしといった心配がないことと、妻もＩＨコンロに賛成だった。

大家族な我が家はエコキュートのタンクも一番大きなものが必要だったり、妻の希望でＩＨコンロも機能が優れている一番お高いやつとなり、工事費も含め導入費用は約６５万円程になりました。業者はこれを分割払いで月々８千円の支払いで８年弱で返済していく提案をされました。つまり、光熱費が約８千円削減されるので、８年間はこれまでの光熱費代の中で払えてしまい、８年後に支払いが終わればあとはまるまる削減分が残るというもの。しかし３％程度のローン金利もコストになるので、払えるならキャッシュの方が効果があるので今回は一括で支払うことにしました。なので、試算通りなら６年程度で導入費を回収できるわけです。

導入後の電力使用量のグラフです。TEPCOの契約者が見れるサイトで確認できます。冬場をピークにどんどん下がってきています。我が家は冬場はコタツや電気ストーブを多用しているので電気代がかさみます。またエコキュートも寒い時期は熱効率が落ちたりタンクに貯められているお湯も保温率が下がるためか、稼働率があがるようです。ちなみに、タンクに貯められているお湯は使わなくても温度が下がっていくと使用できる湯量が減るため、温めなおし（沸き上げ）のためエコキュートは稼働します。

日々の電力使用量もグラフで見ることができるので、節約意識は高まりそうです。ちなみに、北海道旅行したときには不在にしていましたのでそれもグラフに表れていました。

さて肝心の削減効果ですが、確かに総光熱費としては削減されています。２月は約７千円ちょっとで８千円には届かず。３月は８千円どころか約１万１千円も削減されていました。ただ、１年通してみないとまだなんとも言えません。１年経過後にまた結果をご報告したいと思います。

ちなみにTEPCOのサイトでは我が家と似た家族構成、環境のご家庭と使用量を比較できるようで、我が家は他と比べて５％程度使用量が高いようです。まだまだ節約の余地がありそうです。

なお、これまでの「ガス」からエコキュートとともにオール電化に切り替えるなら、春もしくは秋の時期をお勧めします。といいますのも、エコキュートを導入すると電力プランが「スマートライフプラン」というものに従来の契約から切り替わるのですが、この切り替えにエコキュートを導入してから数週間かかります。切り替えまでは従来の従量制プランで計算されるのですが、従量制プランですと電気使用量が上がれば上がるほど電力単価が高くなるのです。スマートライフプランはTEPCOの場合は時間帯で単価が変わるだけで、使用量に応じて単価が高くなっていくことはありません。我が家は設置してから契約プラン変更まで年末年始を挟んでいたこともあり、３週間も従来のプランで電気料金が計算されたました。１月の寒い時期に電気使用量が多かったため、かなり割高な電気料金となってしまいました。ご参考まで。

未来が見えるね研究所　代表　小山英斗