ホロン(相似)の視点で人類を捉えるシリーズ 第1回目
執筆者:Pyon
前回プロローグとしてお伝えした「ホロン」
ホロンの視点で人類を捉えるシリーズの第1回目は、ホロン的視点のイメージを共有したいと思います。
宜しければお付き合い下さい。では本題に。
さて、人間のカラダの機能を相似の関係である(という前提)人類に置き換えて見てみると、とても面白いことが見えて来ます。
人間はどうやって生きているのでしょうか?
人間は、口から入れた食べ物を胃で消化し、小腸や大腸その他諸々の器官によって食べ物が分解・吸収され、肝臓等の仕事を通じて全身隅々にまで張り巡らされた毛細血管を通じて、各細胞一つ一つが死なないように酸素と栄養が行き渡り、それによって一人のカラダを構成しているすべての細胞が生かされ、全体としての個体が生きています。
視点を俯瞰的に捉え、自分が居るその場所から、空(宇宙)に向かって上空に上がって行ってみましょう。
いま、原っぱの真ん中で空を見上げている自分の姿が見えます。高度はまだ20~30mです。もっともっと上空へ上がって行ってみましょう。いま高度は200~300m、高層ビルの最上階くらいの高さからの視点になりました。自分の姿はもう米粒くらいにしか見えません。
さらに上に上がって行きます。高度2000~3000m、飛行機で離陸し、初めての旋回で地上を見た時に見えるような景色になって来ました。
すると…
ホロンの概念を持って人類のスケールを観ると、面白いことに気づかされます。
あれ、道路ってまるで毛細血管のようだよね…
そうなんです。ホロンの視点で人類を捉えると、人類も一人の人間と同じような構造を持って〝生きている〟ということに気づかされます。
1人の人間が生きて行くためにそのカラダを構成しているすべての細胞に毛細血管を通じて栄養が送り届けられているのとまったく同じく、人類を構成する細胞である私たち一人一人の細胞には、毛細血管のように張り巡られた〝道路〟(=血管)を通じて一人一人の〝人間〟(=細胞)に栄養が送り届けられているということが見て取れます。
この視点は結構目から鱗的な視点だと思うんですが、その視点で見ると、差し詰め日々私たちの家庭に食べ物を含めいろいろな物資を届けてくれている宅配業者のトラックは、人体機能における〝赤血球〟のように見えます。
そして高速道路はまさに人類における大動脈や大静脈そのものです。
面白いですね。
また例えばアフリカをはじめとする飢餓・飢饉状態の地域の人々がいます。これをホロンの視野で人類を捉えると、一人の人間のカラダで例えれば、足先の細胞に栄養が行き届かず、細胞が壊死している状態そのものです。
糖尿病が悪化し、合併症を誘発する様になった個体では足先の血管がふさがり、酸素、栄養が行き届かなくなって細胞壊死を起こし、足先切断という様なケースが見られます。なぜそんなことが起こるのでしょうか?
それは遺伝的に初めから仕方ない人たちも多くいるのですが、後天性で糖尿病になる人の多くは、食べるもの食べたいものを自制できずに糖尿病になり、さらに合併症にまでなって行ってしまうという実態があります。
人類もこの壊死する細胞群をあらためて見つめて解決をして行かない限り、やがてはその壊死し続ける細胞群の影響を受けて、人類の体全体がおかしくなり、もしそれをずっと放置しておくようなことになれば、生体全体もやがては死に至ることが考えられるのではないでしょうか?
故にこの問題も解決しなければならない問題であることが想像できます。
そしてさらに踏み込んで考えると、足の細胞が壊死している体の個人の精神バランスはどうでしょう?
健康な人の健全な精神状態とは言えなくなっていることも想像できます。
ホロンの視点で人類を捉えるとき、今の人類の精神状態がまだまだ危険で不安定であることが手に取るように理解できます。
今も絶えない人類の中に起こっている紛争は、この一つの身体の中で、細胞と細胞が殺し合いをしているという状況になりますから、とてもまともな精神状態ではないなということです。
しかし、一人の人間が食べ物を食べて生きて行く限り、常に成長・変化をして行きますので、いま人類が抱えている様々な問題も、いずれは解決されることが想像でき、故に今われわれ一人一人の細胞が人類全体に対して何をすればいいのか?
何をすれば貢献できるのか?
その視点で行動を起こしていきたいところです。
今回のホロンの視点で人類を捉えるシリーズ第1回目はここまでにして、次回はまた違った話をしたいと思います。
未来が見えるね研究所 研究員 Pyon
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