ついに米SECがビットコイン先物ETFを承認!
執筆者:小山英斗
すでに報道がされているように、ついにビットコインのETFが米国で承認となる模様です。今回の承認となる対象のETFは以下の2つ。
- プロシェアーズ ビットコイン先物ETF
- ヴァルキリー ビットコイン先物ETF
いずれも「先物」のETFです。「現物」ではありません。先物取引とは将来約束した期日までに特定の商品をあらかじめ決められた価格で売買を行う取引のことです。先物取引の特徴(現物取引との違い)には以下のようなものがあります
- 取引には期限(限月)があり、それを過ぎると自動で決済される
- 期限前に差金決済できる
- レバレッジをかけられる
レバレッジをかけられることにより手元資金が少額でも大きな取引ができる反面、手元資金以上の損失が生じる可能性があることには注意が必要です。
通常、現物取引より先物取引の方が複雑な取引なため、今回米国で承認見込みとなったビットコイン先物ETFの手数料も現物ETFよりは高くなることが予想されます。
それでもビットコインのETFが承認されることには以下のような大きな意味があります。
- ビットコイン取引において投資家保護がされていると信頼を得た
- 機関投資家がより参入しやすくなる
- (日本でETFが扱えるようになった場合)税金面で分離課税の対象にできる
- (現物ETFの場合)ウォレットでの保管といった手間や盗難の心配などから解放される
今回のETF承認報道を受けて、ビットコイン価格も上昇しました。2021年10月16日には円建て価格は約710万円と過去最高値(2021年4月の約700万円)を更新しています。しかし、米ドル建ては約6万2000ドルで、過去最高値の約6万4900ドルは更新していません。円建てで過去最高値を更新したのは円安の影響によるものです。
相場には「噂で買い、事実で売る(Buy the rumor, sell the fact)」という格言があります。ビットコインETFについてはこれまでも何度もSECに申請がされ、却下されるという流れが繰り返されてきました。今回の「承認」が「事実で売る」ということであれば、高値更新後しばらくは調整局面に入るかもしれません。
実際、この記事を書いている10月17日9時の時点で最高値更新から3%程度じりじりと下げてきています。ただ、仮想通貨に見られるような大きな下落とはなっておらず、比較的市場は冷静のようです。
ビットコインとよく比較される金(Gold)も、過去に金ETF上場をきっかけに価格が上昇したと思われる推移があります。
これから現物ETFも承認されるようになれば、より取引もしやすくなることで資金がビットコインに流入してくることが予想されます。
金との比較やETFに関しては、過去の記事でも触れていますので、改めて参照してみてください。
2019.06.19 記事:仮想通貨から暗号資産へ、ビットコインと金の共通点
2021.01.03 記事:年の始まりはビットコインの急上昇から
2021.03.15 記事:暗号資産(仮想通貨)の今後は?価格が上昇してきた要因とは
未来が見えるね研究所 代表 小山英斗
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