金やビットコインは裏付けがないから価値がある
執筆者:小山英斗
ここ最近、最高値を更新している金とビットコイン、両者には共通点があるアセットと言われています。
2019.06.19 記事:仮想通貨から暗号資産へ、ビットコインと金の共通点
金とビットコインの共通点のなかでも、筆者が魅力に感じている点が「裏付けのない価値」です。
株の価値の裏付けとなるものは企業の価値や信用となります。債券もその裏付けは発行体の信用です。貨幣もそれを発行している国の信用が裏付けとなります。それらのアセットの価値はそのような裏付けの上に成り立っていると言えます。
一方で、金やビットコインは特定の国や組織に依存していません。人々がそれ自体に価値があると思うことによりその価値が決定されています。
金やビットコインは発行体の信用などの裏付けとなるものがなく、市場原理(需給)のみで価値が決まっていると言えるでしょう。
人によっては、「価値の裏付けのないものには投資尺度となるものがないので、それは投資ではなく投機で危険なものだ」という人もいます。
ただ、筆者は「裏付けがなく、市場原理のみで価格が決まっている」からこそ、価値があり安心できると考え、リスクヘッジの1つとして資産の一部に組み入れています。
円預金は元本割れがなく安全資産として考え保有している人もいるかと思います。しかし、日本の信用という裏付けの上にその価値がある円預金を持っている人が、もし将来の日本の経済や政治に期待を抱いていないのであれば、その投資方針はちぐはぐなものになっていないでしょうか。
未来が見えるね研究所 代表 小山英斗
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