資産形成では「出口戦略」も忘れずに
執筆者:小山英斗
2024年から始まった新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用でき、非課税期間も無期限となったことで、これまで以上に長期的な資産形成がしやすくなりました。
しかし、多くの人が「積立の始め方」に意識を向ける一方で、意外と見落としがちなのが「出口戦略」、つまり取り崩し方です。
まず、新NISAの大きなメリットは「非課税での資産運用」です。長期・分散・積立の基本に従い、コツコツ積み上げることが重要ですが、老後の生活資金や大きな支出に備えるためには、最終的にどう使うかも考えておく必要があります。
出口戦略で大切なのは、「必要な時に必要な分だけ取り崩す」こと。非課税期間に制限がないため、慌てて売却する必要はありません。リタイア後、生活費の不足分を補うように、少しずつ売却する方法が有効です。
特に、株式や投資信託は価格変動があるため、取り崩しの時期を分散する「定率売却」や「定額売却」を計画的に行うことで、リスクを抑えながら資産を活用できます。
また、取り崩しにあたっては年金や退職金とのバランスも大切です。取り崩しのタイミング次第で、税金や社会保険料への影響が出る場合もあるため、シミュレーションを行い、FPなど専門家に相談するのも有効です。
新NISAは「積立て終わり」がゴールではありません。
「いつ・いくら使うか」を見据えた出口戦略を持つことで、安心の資産形成が実現できます。今からしっかり計画を立てておきましょう。
未来が見えるね研究所 小山英斗
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