ビットコインは金の歴史を数倍の速さで辿る
執筆者:小山英斗
2024/1/10 に米国SECに承認されたビットコインETFが翌11日には早くも上場して取引が始まりました。
上場直後に一時4万9000ドルまで上昇した価格は、その後しばらくは新しく立ち上がった複数のビットコインETFへの資金流入額を、グレースケールのGBTCからのビットコイン流出額が上回り価格下落の要因となっていたとの見方がありました。
そのグレースケールのGBTCからの流出も収まりつつあり、ビットコインETF全体への資金流入額が流出額を上回るようになるとともに、ビットコインの価格も上昇傾向に転じたようです。
このブログを書いている2024/2/12時点でビットコイン価格は約4万8000ドルまで上昇しています。
過去最高値は 2021/11/8 につけた約6万9000ドル。ドルベースでは、現在の価格はまだ高値から30%下に位置していることになります。2021年11月8日のドル円の為替相場は113円60銭ほどでした。円換算でのビットコイン価格は約780万円が過去最高値となります。
一方、現在のドル円は149円程ですので、円ベースでのビットコインの現在価格は約715万円ほどになります。円ベースでは最高値から8%程度の下に位置しています。ビットコインの変動幅からすると、円ベースでのビットコインは最高値更新が視野に入ってきている状況です。
これまでの価格上昇が、過去に発生した短期急騰のような状況でもなく、2022年12月頃を底としてETFへの資金流入と、このあとに控えている半減期のイベントもあり、着実に上げていることも比較的安心した上げ相場となっていると思います。
ビットコインはデジタルゴールドとしてその特徴から金とよく比較されます。
金ETFは2004年に上場して取り引きが始まりました。当時の金価格は約400ドル/トロイオンス、円価格では約1500円/グラムほどでした。それが 20年後の現在、約2000ドル/トロイオンスと約5倍、円では約9700円/グラムと約6.5倍となっています。
金は「金本位制」という制度が1816年に始まってから現在まで200年以上もの長い歴史があります。金本位制は金を通貨の価値の基準とする制度です。この制度の始まりを起点にすると、金ETFが誕生するまでに実に188年もの歳月が流れています。
一方で、ビットコインの歴史はビットコインがピザ2枚と最初に取引されたとされる2010年5月からまだわずか14年ほどしかありません。ビットコインETFの誕生までの歳月も14年ということなります。
ビットコインの歴史は金の13倍もの速さで流れているとするなら、金ETFが誕生して20年で5倍の価格上昇をみせた金に対して、ビットコインの価格が今より数年で数倍になっても不思議なことではないかもしれません。
未来が見えるね研究所 代表 小山英斗
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